仕事

キャリアとは?学問の視点でのキャリアを説明

仕事をしていると、キャリアという言葉を耳にする場面があります。
特に人事部と話したり、転職活動をしているとそのシーンに遭遇します。
「あなたの今までのキャリアは?」「キャリアプランを教えてください」など使われますが、「キャリア」の意味が曖昧な場合もあります。

本記事では、「キャリア」の説明や学問的な視点での「キャリア」について説明します。

「キャリア」とは

キャリア(Career)とは
狭義:職業・職務・職位などの経歴
広義:働くことに関わる様々な行動、経験、機会、能力、成果、役割、コミットメント、意志、判断などの連鎖と蓄積

近年、キャリアの概念はますます広がっており、仕事以外の生活範囲も含むようになっています。
理由は働き方の多様化、仕事と私生活の関連性の複雑化しているからです。

内的キャリアと外的キャリア

キャリアを内的要素と外的要素に分けることができます。
「内的キャリア」とは、経験をもとに価値観、動機、意志、想い、感動、思い出などを言います。
「外的キャリア」とは、経験してきた仕事内容、実績、所属した会社や部署、人脈などで数字化や文字化しやすいです。
「内的キャリア」と「外的キャリア」は相互に強く影響しあっています。
>>>仕事のキャリアを作る要素を説明!相談する前に知っておくべきこと!



キャリアに関する学問や諸理論

人の数だけキャリアがあり、世界中でキャリア開発に関する議論が歴史上されてきましたし、現在もされています。
諸理論はたくさんあるが、個人や会社や時代背景によって諸理論の適合性も代わり、常に新しい考え方が提唱されています。
過去の代表的な諸理論を下記で一覧にしています。

研究者 キーワード ポイント
フランク・パーソンズ 人と職業の適合 1900年代初めに提唱された職業選択に関わる理論。
個人の能力・特性と職業に求められるスキルが一致するほど仕事における満足度は高くなることを基本原理としている。
ドナルド・スーパー 自己概念 人は仕事を通じて自己概念を表現しようとする。
自己概念が不明確であったり、否定的なものであったりすると、職業選択も不適切なものになってします。
ライフステージ 人生を5つの発達段階と捉え、段階ごとに発達課題を考察した。
①成長期、②探索機、③確立期、④維持期、⑤下降期
ライフコントロール キャリアを人生の様々な段階で果たす役割の組み合わせであると捉え、その概念を2時に喩えて説明した。
ジョン・ホランド 6角形モデル パーソナリティ(個人特性)および職業の特徴を6つのタイプに分類し、両者のマッチングをはかるもの。6つのタイプは①R:現実的、②I:研究的、③A:芸術的、④S:社会的、⑤E:企業的、⑥C:慣習的
アルバート・バンデュール 社会的学習理論 学習する者が直接の経験に寄らず、他人を観察し、それを真似することでも学習が成立することに着目。モデリングの4つの過程として、①注意、②保持、③運動再生、④動機付けをあげた。
エドガー・シャイン キャリア・アンカー 組織と個人の関係の視点から、キャリアの発達を9段階で捉えた。また、「キャリア・アンカー」という概念を提唱した。「アンカー」とは船の錨のことで、自分が拠り所とする強みや動機、価値をいう。シャインはそれらを8つのカテゴリーに分類した。
ナンシー・シュロスバーグ 4Sトランジション・モデル キャリアは転機の連続と捉え、転機にうまく対応できるようになることを主眼に置いた。転機を乗り越えるための資源を4つのSとして整理した。4S=状況(シチュエーション)・自分自身(セルフ)・支援(サポート)・戦略(ストラテジー)
ジョン・クランボルツ 計画された偶発性理論 個人のキャリアはかなりの部分が偶然の出来事によって左右されているという事実がある。この理論は、オープンマインドに構え、偶然のチャンスを取り込んで望ましいキャリアを築いて行くという考え方を基本とする。
サニー・ハンセン 総合人生計画 「調和(Harmony)」「統合(Unity)」「全体融合(Oneness)」といった言葉を用い、個と全体が融和するライフキャリアを提唱した。人生の重要な役割を4つあげ(①仕事、②愛、③学習、④余暇)、これらがパッチワークのように統合されていることが望ましいとした。
フレデリック・テイラー 科学的管理法 20世紀初頭、テイラーは労働者への課業を厳密に定量化・標準化し、経済的刺激(金銭報酬)を活用することによって、劇的に労働者の能率を向上させることに成功した。テイラーシステムと呼ばれるこの方法は近代的な生産管理法の礎となった。しかし、労働強化につながることや人間を物的視するものといった批判も多かった。
エルトン・メイヨー ホーソン工場実験 1920年半ば、メイヨーは工場労働者にいくつかの実験を行い、生産物理的条件や経済的条件とりも、職場の人間関係や経営への参加意識、誇り、責任感などによって大きく影響を受けることを明らかにした。内発的な刺激による勤労意欲の醸成こそが重要であり、人間的・インフォーマル的アプローチが有効であるとした。
アブラハム・マズロー 欲求の階段説 人間の欲求を5つの段階に分けて説明した。
①整理の欲求、②安全の欲求、③愛と所属の欲求、④村長の欲求、⑤自己実現の欲求。
ダグラス・マクレガー X理論・Y理論 X理論は、人は生まれつき怠け者で、厳しい賞罰で統制しなければ働こうとしないという人間観に立つもの。Y理論は、人は生来、怠惰でも受け身でもなく、適切に動機付けされれば目標に向けて努力し、自ら進んで責任を取ろうとするという人間観に立つもの
クレイトン・アルダーファー ERG理論 マズローの五段階説を発展させて集約したのが
①生存の欲求(Existence)、②関係の欲求(Relatedness)、③成長の欲求(Growth)
フレデリック・ハーズバーグ 動機づけ要因・衛生要因 職務における満足と不満足をもたらす要因に何があるかを調査し、「動機付け要因」と「衛星要因」の2種類があることを示した。
ミハイ・チクセントミハイ フロー体験 何かに投入し、その対象と自己が同一化している時の感覚を「フロー」と名付けた。自己目的的活動における心理を考察した。
アルバート・エリス 論理療法 感情は遭遇した出来事そのものではなく、出来事の受け取り方によって生み出される。したがって非合理的な受け取り方に変えれば、そうした感情反応は弱くなるかなくなるという『ABC理論』を提唱した。
ビクトール・フランクル ロゴセラピー いかに「生きる意味」を持つことが人間の精神保健にとって重要であるかに気づき、「ロゴ」による心理療法を創始した。
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このように世界中で今もなお「キャリア」に対する議論は続けられており、
時代や個人の背景に合わせた「キャリア」の考え方を見つけることが大事です。