会社・社内環境

残業代の計算方法と注意すべき点!残業代の仕組みを正しく理解する

働き方改革や過労死などの報道をよく耳にし、日本国民の残業に対する関心が高くなっています。
一方で、残業の定義や残業代の計算の仕方などを知らずに見過ごしているケースもたくさんあります。
自身の立場や心身の状態を残業から守るためには、残業の仕組みや残業代の計算方法などを理解し把握する必要があります。

本記事では、残業の仕組みや残業代の計算方法について説明します。

残業の定義


「残業代」という言葉が一般的ですが、法律用語としては「割増賃金」と言います。
残業とは働く人にとって、8時間以上働くことを意味しますが、実は残業には2種類の残業のタイプがあり、いろんな要素が組み合わさり、最終的な残業代が決定します。

まずは残業の種類や定義について説明します。
残業には「(法定)時間外労働」と「法内残業」の2種類があります。

「(法定)時間外労働」は労働基準法で定められた労働時間を超過して行われた業務のことです。定められた時間は1日8時間、1週間40時間です。

「法内残業」は会社が定めた所定の労働時間を超え、労働基準法で定められた労働時間以内で行われた業務のことです。
労働基準法の上限も超えているものをいいます。割増率を加味して残業代を計算します。

9時から17時までの勤務、1時間の休憩時間の場合は、会社の定めた所定労働時間は1日7時間です。
これは労働基準法で定められて8時間の労働時間よりも短い所定労働時間になります。
この場合では、18時まで業務して会社の所定労働時間を超えた場合でも、労働基準法で定められた8時間を超えていないため、「法内残業」になります。
19時まで業務した場合には1時間(17時から18時)が「法内残業」、1時間(18時から19時)が「(法定)時間外労働」になります。

2種類の残業のうち、労働基準法によって割増賃金の支払義務があるのは、(法定)時間外労働のみです。
法内残業については、労働基準法上、特に割増賃金の支払義務は定められていません。

加えて、常時アルバイトを含む10人以上の労働者がいる事業所では、就業規則の作成義務がありますので、就業規則で残業に関する確認してみてください。


割増賃金の種類

割増賃金に代表されるのは「時間外労働(残業)」「深夜」「休日」の3つです。
「時間外労働」は上述しましたので、「深夜」「休日」についても説明します。
例えば、残業して且つ深夜まで勤務した場合には「時間外労働」×「深夜」になり、計算の比率が変わります。

深夜割増とは22時から5時の間に就労した場合に加算されます。
業務の都合で夜勤が必要だったり、定時に終わらず22時以降も仕事が必要な場合は該当時間に限り割増になります。

休日割増とは、法定休日を超えて就労した場合に加算されます。
労働基準法では休日は週に1日と定められているため、1週間休みなしで勤務した場合などで休日割増が適応されます。
多くの企業では週休2日を採用していますが、その場合は企業の就業規則に基づきます。
就業規則で週休2日が定められていれば、その企業では週に2日が法定休日となり、週に5日以上勤務した場合に割増が適応になります。

下記の表は各項目の割増賃金率です。

 

労働の種類 賃金割増率
時間外労働(法定労働時間を超えた場合) 25%割増
時間外労働(1ヵ月60時間を超えた場合)
※適用猶予の場合有
※代替休暇取得の場合は25%の割増無
50%割増
深夜労働
(午後10時から午前5時までに労働した場合)
25%割増
休日労働(法定休日に労働した場合) 35%割増
時間外労働(法定労働時間を超えた場合)+深夜労働 50%割増
時間外労働(1ヵ月60時間を超えた場合)+深夜労働 75%割増
休日労働+深夜労働 60%割増

残業代の計算方法


残業代の計算方法は以下の式です

残業代 = 「基礎となる賃金」 × 「法定時間外労働」 × 「時間外労働に伴う割増率」

「基礎となる賃金」とは基本給だけでなく、役職手当や危険手当などは含まれます。
しかし、全ての手当が含まれるのではなく、下記の手当は除外になります。

「基礎となる賃金」から除外になる手当

  • 家族手当
  • 通勤手当
  • 別居手当
  • 子女教育手当
  • 住宅手当
  • 臨時に支払われた賃金

 

残業代の計算のサンプル

サンプルを用いて、残業代の計算の仕方を説明します。

【設定】
・月給20万円、所定労働日20日、 所定労働時間が8時間の正社員Aさんが3時間の時間外労働を行なった。
・この会社の時間外労働の割増率は25%、深夜労働の割増率は25%
Aさんの時給相当額を計算すると、時給相当額は1,250円になります。

【計算】
20万円 ÷ 20日 ÷ 8時間 = 1,250円(時給相当額)
1,250円 × 3時間 × 1.25(割増率) = 4,687円



残業に関する会社の規定を理解する(36協定)

36協定という言葉をご存知でしょうか?
簡単に説明すると「 従業員に残業や休日労働を行わせる際に締結が必ず必要な協定」です。(労働基準法36条に定められているので、「36協定」と呼ばれている)
会社に入社時に労務や就業規則の説明の際に、「36協定」について説明する企業がほとんどです。
36協定では、1ヶ月の残業時間の上限が○○時間以内などと定められていますが、36協定での残業時間の上限と残業代の計算には関係性はありません。

過去の未払いの残業代の請求をすることも可能ですが、時効は2年となっています。
証拠が明確に残っている場合は過去分の請求を会社にすることも可能です。

残業の仕組みや計算方法を正しく理解して、適切な残業代を支給してもらいましょう。