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OJT研修とは?やり方、手順、メリットデメリットを徹底解説

企業で働いているとよく耳にする単語に「OJT」があります。しかし、多くの社員にとって「OJT」とは分かったようでよく分からない言葉です。
社内研修を企画する方やOJTトレーナーになった方を対象に本記事では「OJT」とは何か?メリットデメリットなどを説明します。

OJTとは

OJTとはOn The Job Training の略で「各職場での実務経験を通して、業務遂行に必要な知識や能力、技術などを身に付ける」という意味で日本では最も有名な研修方法の一つです。
通常業務で上司や先輩社員が教える側(トレーナー)になり、部下や新入社員に実践的を通じて知識やノウハウを伝えます。
OJTのほとんどが日常の業務と並行して行い、育成計画に沿って取り組むことで成長やスキルアップにつなげます。

OJTには「形式化しにくい」「習熟を要するもの」などマイナス面もありますが、対応すべき状況が多様でそれを先輩社員などが経験をもとに教育することがOJTには可能です。

OJTは実務を行いながら研修をするために、即戦力になることが期待できるため、効果や効率が高いため日本の90%以上の企業がで導入しています。

OJTの背景やルーツ

OJTのルーツは第一次世界大戦中の軍隊を育成するために開発されたトレーニング手法の「4段階職業指導法」です。
戦時中に膨大な軍隊を育成するために「(Show)やってみせる」「(Tell)説明する」「(Do)やらせてみる」「(Check)確認・追加指導」の4段階の指導法が即戦力を育てるために有効でした。
そして、日本の戦後の高度経済成長期(1950~1970年代)に経済の成長に企業が人材の成長を追いつかせるため、企業の研修に導入されました。
その後も少しづつ形を変えながら進化し、多くの企業において実践的で効果的な研修方法の一つとして活用されています。


OJTのやり方・手順


OJTも計画・実行・評価のサイクルが基本となりますので、実施前・中・後に分けてやり方を説明します。

OJT実施前

まず、OJTの目的と目標を明確にしましょう。
目的は「○○の業務ができるようになる」「〇〇のような人材になる」と設定します。
それを実現させるためのスキルなどを明確にします。
同時に研修対象者(教わる側)の現状の能力や個性を把握して、目的の達成のために不足している項目を洗い出し、研修内容の詳細とトレーナーを選定します。
OJTのトレーナー選定はなるだけ年の近い方や似たような属性の方を選定しましょう。
ポイントは気軽にコミュニケーションが取れるような間柄や関係性の方をトレーナーとして選任することがベストです。
そして、研修内容やスケジュールの詳細を決めて、研修企画者(人事部など)とトレーナーですり合わせを行い、認識や研修内容にズレが発生しないようにしましょう。

OJT実施中

OJTは実務を通じて行う研修のため、実施中がもっとも大事になります。
OJT期間中は教える側に任せることが多くなりますが、人事の立場では定期的に双方に進捗具合の確認が必要です。

OJT実施後

OJTは実行して終わりではなく、教える側へのフィードバックも重要な要素の一つです。
目的や目標が達成できたかどうか、トレーナーの教育内容や教え方が良かったかどうかなどの振り返りは必要です。
これをもとにトレーナー研修の開催や今後の研修内容への反映が必要になります。


OJTのメリット・デメリット

OJTのメリット

1.個人の特性に合わせた内容・スピードで教えられる
2.教える側にとってもスキルアップにつながる
3.実務を通じて育成をするので、OJT終了後は即戦力に
4.OJTを通して職場の人間関係が築ける
5.低コストで教育できる

OJTは実務の中で教育しているため、実践に使えるスキルや経験を身に付けることができ即戦力になることができます。
教育の過程では研修対象者もその都度質問や不明点を確認できますので、個人の理解力や業務習得スピードに合わせて、教育スピードや内容を調整することができトレーニングをする側される側の双方にとってプラスです。
あわせて個人の課題も明確になり、強みを伸ばしたり、弱みを克服するために重点的に対応することもできます。

社内の会議やプロジェクトを通じて実務を通じて研修を行うため、必然的に社内メンバーとコミュニケーションを取ることも増えて、研修をしながらネットワークづくりをすることも可能です。
新人が積極的になれば会社や組織としてコミュニケーションは活発化してします。

OJTのメリットは教える側にもあります。教えることで日々の業務が整理でき、図式化や言語化することでトレーナーのスキルアップがみこまれます。人に教えることは簡単でなく、どのように教えれば人が育つかを実践を通じて学ぶことができます。

OJTは低コストで研修をすることができます。日々の業務で行うため研修費用(講師代や会場費)なども不要になります。また、研修をする時間も省くことができますので、時間コストも省くことができます。

OJTのデメリット

1.OJTという名の「単なる放置」になることも
2.教える側のスキルにより、習熟度にバラツキも
3.実務を通じて教えるため体系的に学びづらい
4.実務が滞ってしまうことも

OJTのデメリットはトレーナーの能力や意欲に依存してしまうことがあります。
トレーナーが体系的・計画的に教える能力が高くなく感覚などで教えている場合には研修対象者にとっても理解しにくいことがあります。
また、OJTに対する理解度の低い方や非協力的な社員も多く、研修対象者が放置されてしまうケースもあります。
その場合はOJTを現場任せにしすぎず、人事部などで適宜フォローが必要になります。
トレーナーは自身の通常業務が滞ることもあり、時間的や精神的な負担も増えますので、その点も合わせてフォローが必要です。



OJTに適している業務


全ての研修がOJTに適しているわけではなく、OJTが向いているのもと向いていないものがあります。

OJTに向いている
  • すでにルールが確立されている業務
  • イレギュラーが少ない業務
  • トレーナーの個人差がない業務
OJTに向いていない
  • プロジェクトベースなどで変動要素の多い業務
  • 日常業務が忙しすぎる業務
  • トレーナーの経験や感に依存しない業務

OJTの課題

日本の企業の90%がOJTを導入していますが、その中で8割以上の企業がOJTに不満や問題を抱えていると感じています。
その不満や問題点は「研修する側(教える側・トレーナー)」と「研修される側(教えられる側)」に分別することができます。
「研修する側」は自身の業務をこなしながら教育を実施しています。
これは想像以上に負担が重く、OJT自体が形骸化してしまい、新入社員がきちんと教育されることなく放置されるというケースも多いです。自
身の業務とOJTの両輪で動かすことは難しく、どちらかがないがしろになることがあります。
トレーナーの意欲や能力次第でOJTの成功がかかっていますので、とても属人的になります。

「研修される側(教えられる側)」は新入社員であることがほとんどで、学生から社会人に切り替わっていない方もいます。
そこで基本的なビジネスマナーがなかったり、ストレス耐性が低いことが多いです。
少子高齢化に伴い過保護に教育されてきた時代背景があり、学校で大人から厳しく接しられて機会が極端に少ない世代がどんどん入社してきています。実務が忙しく丁寧に教えてあげれなかったり、少し厳しめに接した場合にはモチベーションの低下や心身の不調につながることがあります。
加えて、受け身の社員にはOJTは効果は弱まります。OJTで実践を積みながら事業を進めますが、受け身の方は質問なども少ないため業務習得スピードが遅くなります。


OJTトレーナーの教育

OJTを成功させるためには「トレーナー」の成長と協力が必須になります。
トレーナーの方にはOJTの目的を理解してもらいましょう。

OJTを行うことでトレーナー側の成長にも繋がりますし、長期的視点だと自身の仕事も楽になり、チームや部署として成果を挙げやすくなります。
トレーナーに自身がトレーナーになることで成長できる点などをお伝えしましょう。
下記の内容がトレーナーをする上で身につきます。

ティーチング 業務の理念や目的を伝えてから実際の流れをやってみせ、教わる側に実際に業務に取り組ませたら、フィードバックを行いましょう。
コーチング コーチングとは、教わる側が自分自身で考えるようにできるように助けることです。自分で考えることができるようになれば、臨機応変に柔軟に対応できる応用力が身につきます。全ての答えを教えるのではなく、答えを自分で考えてもらうようにしましょう。
オープン・クエスチョン 教わる側の理解度を確認するときに有効なのが、「オープン・クエスチョン」です。YesかNoかでは答えられない質問をすることで、どの程度理解しているかを把握しましょう。回答に対してさらにオープン・クエスチョンを重ねることで、より理解度を高めることも期待できます。
伝え方 教わる側の能力をさらに引き出すためには、伝え方も重要です。相手を否定したり他者と比較したり、失敗を責めたりするような叱り方では、教わる側はやる気を無くしてしまいます。失敗の原因や改善点を伝えるなど、今後の成長につながるような伝え方をしましょう。また、注意するだけではなく、成果を出したときなどにきちんと褒めることも求められます。褒めることで相手の良さを引き出し、モチベーションアップにつなげましょう。

どの企業にとっても従業員の教育は継続課題ですので、効果が最大化できるようにOJTを実施してきましょう。